電動化が進む中でNVHの対策も欠かせません。電動化ではどのようなNVH試験が必要になるのか、NVH試験に対応したダイナモメータやエンジニアリング・テスティングサービスとともにご紹介します。
NVHとは、Noise(騒音)、Vibration(振動)、Harshness(ハーシュネス)の頭文字をとったもので、自動車の快適性に影響を与える3つの要素の総称です。
騒音はエンジン音、各部品の作動音、ロードノイズ、風きり音などの外部の騒音を、振動はエンジンや駆動系から伝わってくる走行中の振動を、ハーシュネスは路面からの振動や衝撃によって乗員が感じる不快な騒音・振動を指します。
より快適に、ストレスなく安全に運転できるよう、NVHの特性を理解し対策する必要があります。
従来の内燃機関車では、エンジンからの騒音や振動の影響が大きく、他の部品の作動音や振動が隠されていました。内燃機関車よりも多くの電気部品で構成されているEV(電気自動車)では、エンジンにより目立たなかったタイヤノイズや風切り音、電気モーターから発生する高周波ノイズや振動、電池の重量と配置により重量配分の変化することに起因する新たな振動特性への対応など、EV特有のNVH対策が必要となります。
NVH試験は、快適性、性能、安全性のバランスを維持しながら、快適で楽しい運転体験を提供するために欠かせません。多様な要素を評価するために、多様な試験が実施されます。
さまざまな走行条件下での車室内の騒音レベルを測定します。エンジン、道路、風、HVACシステムなど、さまざまな騒音源を評価します。
車両から外部環境に放出される騒音を評価します。通過騒音と静止騒音レベルの測定が含まれます。
共振によるNVHの発生を防ぐため、自動車のコンポーネントやシステムの固有共振周波数とモード形状を特定します。
特に高速走行時に、車両周囲の乱気流や気流によって発生する騒音を測定・分析します。
エンジン、路面、サスペンション、駆動系など、車両を通じて乗員に伝わる振動を分析します。
ステアリングホイールや制御装置を通じてドライバーや乗員に伝わる振動に焦点を当て分析します。
乗員による音の知覚に焦点を当てます。ピッチ、ラウドネス、音質などの音の特性を主観的に評価し、心地よい聴覚体験を実現します。
エンジンやトランスミッションなどのドライブトレインコンポーネントのねじり振動を評価します。
サスペンションが路面の凹凸からくる振動や衝撃をどの程度車両に伝えていないかを評価します。
エンジンから発生するNVHを評価します。エンジンマウント、排気システムなど、付属部品の評価も含みます。
最適な材料の選択に向けて、自動車に使用される吸音材や遮音材の効果を評価します。
車両をさまざまな路面条件や環境要因にさらし、時間の経過とともにNVHレベルの上昇につながり得る摩耗や劣化を特定します。
HORIBAは、NVH試験に必要な各種部品・システム・車両の評価用ダイナモメータの提供と、エンジニアリング・テスティングサービスで、お客様のNVH開発をサポートします。
HORIBAは、コンポーネントからサブシステム・システム・車両まで、幅広い車両をカバーする各種ダイナモメータをラインアップしています。
長年車両開発・試験に携わってきた英国のHORIBA MIRAが、NVHエンジニアリング・テスティングサービスを提供します。