HORIBAの社是「おもしろおかしく」は、人生の一番良い時期を過ごす「会社での日常」を健全で実り多いものにしてほしいという創業者・堀場雅夫の“おもい”から、1978年に制定されました。また、2012年5月には、ホリバリアン※一人ひとりが「おもしろおかしく」を実現するために最も大切なことは、心身の健康であるとの考えから、経営トップの「“こころとからだの健康づくり”宣言」が発出されました。
宣言のもと、個々人の心身の健康増進を図るため、安全衛生担当部署、産業保健スタッフ、健康保険組合、社内の福利厚生専門会社「ホリバコミュニティ」、労働組合等で「こころとからだの健康づくりプロジェクト」を組成し、全員でアイデアを出して、活動を進めています。食を通じて健康を考える給食委員会の活動、一人ひとりが自らの心身の健康をテーマに活動するヘルスアップチャレンジ、組織や世代を越えてコミュニケーションの機会を創出するHORIBA Blueberry Farm “Joy & Fun”の運営等、HORIBAの健康経営の取り組みは「おもしろおかしく」をベースに、HORIBAらしいユニークなものばかりです。
これからもHORIBAの企業文化や独自の考え方に基づいて、心身の健康増進活動を推進し、ホリバリアン一人ひとりが積極的にセルフケアを行い、能力を最大限に引き出せる環境を整えます。それが、企業価値の向上と中長期経営計画MLMAP2028の達成、個々人の仕事や人生における「Joy and Fun for All」につながるものと信じています。
※ホリバリアン:HORIBAで働くすべての人を同じファミリーであると考え、ホリバリアンという愛称で呼んでいます。
こころとからだの健康づくりプロジェクト オーナー
執行役員 管理本部長 山下泰生
(2012年5月7日)
HORIBAグループは社是「おもしろおかしく」のもと、従業員一人ひとりが生きがい、働きがいを持ち、充実した人生を過ごすために、こころとからだの健康を大切にし、明るく活気ある職場づくりを推進することを宣言する。
株式会社堀場製作所
代表取締役会長兼社長
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「こころとからだの健康づくり」に関する行動指針
代表取締役会長兼グループCEOのもと、組織横断的なプロジェクトである「こころとからだの健康づくりプロジェクト」を立ち上げて、従業員と家族の心身の健康維持・増進の諸施策を考え、推進しています。
戦略マップとは、経営課題の原因となる健康課題を特定し、その解決に至るまでのストーリーを具体的な投資や指標を用いて示したものです。当社ではMLMAP2028の「ホリバリアンの力を最大限引き出す人財戦略」において健康経営を重要な位置づけとし、戦略マップを作成しています。
健康経営戦略マップ(PDF)
MLMAP2028の詳細はこちらからご覧ください。
中長期経営計画 - HORIBA
全従業員が自身の能力を最大限に発揮するために、こころとからだの健康づくりに取り組んでいます。しかしながら、健診受診率は100%であるのに対し、二次検査(精密検査)受診率が低く有所見者の低減に至っていません。また、喫煙者の低減が図られないなか、受動喫煙により会社内で不快と感じている従業員が多いことなどから、プレゼンティーズムに影響を与えていることが課題と考えられます。
これまで、メンタルヘルスの取り組みとして一次予防も行っていましたが、不調者への対応や高ストレス部署への介入等、二次予防の関わりも多くありました。MLMAP2028に掲げる「個人の能力の最大化」に貢献するためには、全従業員のこころの健康の底上げが必要です。従業員のメンタルヘルスに関する知識不足や職場環境等、いきいきと働ける状態を十分に保つことができていないことが課題と考えられます。
国内HORIBAグループ従業員、契約社員、パートタイマーなどに実施した定期健康診断、人間ドック、ストレスチェックテストの結果や問診票などから、数字をまとめています。
詳細はこちらをご覧ください。
HORIBAグループこころとからだの健康白書
●からだの健康
健康経営を進めるための土台として、2022年に健康管理システムを導入しました。システム導入により健康課題を迅速に効率よく抽出することができるようになり、PDCAサイクルのなかでも対策を十分に検討・議論する体制が整いました。とりわけ、産業保健スタッフによる保健指導の充実化につながったことで大きな成果があり、ハイリスク者に対する重症化予防、若年層(35~39歳)かつ特定保健指導基準該当者への保健指導実施体制を確立することができました。
生活習慣では、特に食習慣にフォーカスし、保健指導やヘルスアップチャレンジ活動に組み込んで改善を図っています。若年層では朝食欠食率が高く、毎年、入社時の導入研修に食育を中心とする生活習慣の確立について講義を行っています。これらの取り組みは、今後も従業員のヘルスリテラシー向上につながるものと考えています。
項目 | 2023年 | 目標数値 |
35~39歳保健指導実施率 | 76.40% | 80% |
ハイリスク者保健指導実施率 | 79.10% | 85% |
●二次検査
がん検診受診率の向上と健康管理システムの導入により、多くの従業員の検診結果の抽出が容易になったため、労働安全衛生法の定期健診項目に加えて、がん検診項目も二次検査対象に含めました。多くの対象者に受診勧奨を行う体制を整えました。
二次検査受診率は十分ではありませんが、今後は従業員のみならず、安全配慮の観点から所属長への受診指導による働きかけを強化し、早期に対処できる体制の確立をめざします。
項目 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 目標数値 |
二次検査受診率 | 68.30% | 47.40% | 52.80% | 70%以上 |
●がん検診受診率
がん検診は定期健康診断と同時受診できる体制としていますが、受診率の向上を課題と考え、国の指針に基づいて、2022年度に体制を見直しました。子宮がんと乳がん検診は対象年齢ごとの受診基本項目としたことで、受診率が大きく向上しました。また、胃がん検診は受診率向上のため、ペプシノーゲン検査を廃止し、有効性が確認されている胃部X線検査のみへ変更したことで、受診率は徐々に向上しています。
項目 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 目標数値 |
胃がん検診受診率 | 72.10% | 74.90% | 77.2%(達成) | 70%以上 |
乳がん検診受診率 | 62.60% | 80.00% | 82.3%(達成) | 70%以上 |
子宮がん検診受診率 | 51.60% | 67.80% | 67.60% | 70%以上 |
●受動喫煙と禁煙支援策
就業時間内禁煙を実施しています。全従業員に対する「喫煙・受動喫煙に関するアンケート」の実施により、受動喫煙や三次喫煙に関する実態把握を行い、安全衛生委員会や衛生管理者、労働組合との協力体制のもと、喫煙所の再確認やルール確認を改めて実施しました。禁煙に導くための支援策として、喫煙所や社内サイネージによる禁煙啓発掲示、雇入れ健診/定期健診からの個別の保健指導、特定保健指導や健診会場、全社活動(ヘルスアップチャレンジ)での禁煙の呼びかけを実施しています。今後も禁煙希望者が禁煙しやすい環境を提供するため、支援策の拡充を図っていきます。
項目 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 目標数値 |
喫煙率 | 16.10% | 16.10% | 15.70% | 15.0%以下 |
●こころの健康
これまでグループ全体の取り組みとして、ストレスチェック等の集団分析結果は高ストレス部署や開示希望部署にのみ共有していましたが、2024年より、結果の良し悪しに関係なく各会社の人事担当部署や人材開発担当部署にフィードバックし、活用方法やアプローチ方法を検討する取り組みを新たに開始しました。またグループ会社ではこれらの数値を使ってコミュニケーションの活性化や職場環境改善の研修を行っています。
項目 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 目標数値 |
ストレスチェック 総合健康リスク値 | 89 | 93 | 90 | 85未満 |
ユトレヒト・ワークエンゲイジメント (超短縮版3項目) | ― | 3.2 | 2.84 | 3.36以上 |
●社内相談窓口の設置
EAP(Employee Assistance Program(従業員支援プログラム))の他に、従業員が相談できるように、社内に臨床心理士による相談窓口を設置しています。相談テーマに制限を設けず、就業時間中に利用できることとし、気軽に相談できる環境を整えています。
●女性の健康への取り組み
女性が安心して働ける環境作りの一環として、2004年10月からフェミニンサポート体制を構築し、女性向けに様々なプログラムを展開しています。 婦人科クリニックとコンサルタント契約を結び、従業員とその家族を対象に休日の受診、優先的予約、メール相談、セミナーの開催を行っています。セミナーでは、クリニックの医師より女性の身体をテーマにお話いただきました。
●ヘルスアップチャレンジ
2011年から、生活習慣の見直しと改善のきっかけづくりを目的に、全社活動である「ヘルスアップチャレンジ」を実施しています。毎年3~5ヵ月の期間を設定し、運動の習慣化、禁煙など参加者自身が健康維持・増進をテーマとして設定し、一人ひとりが楽しく主体的に参加できる仕組みを取り入れています。活動には役員も参加し、それぞれが健康に関する考えを発信するなど、参加を促す工夫をしています。特に効果が見られた個人や組織には、役員賞が授与されます。
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ヘルスアップチャレンジ実施中! ~「おもしろおかしく」働くために~ - HORIBA
HORIBAグループとして安全衛生管理に関わる年間スケジュールを作成し、安全と健康に関する様々な教育を実施しています。その他各グループ会社が独自でコミュニケーションの活性化や職場環境改善などの研修も行っています。
食生活改善に向けた活動の一環として、2008年から福利厚生担当、食堂業者(管理栄養士含む)、健康管理室などが連携して「給食委員会」を立ち上げ、食を通じた健康管理・増進活動に取り組んでいます。社員食堂ではカロリーを抑えたメニューの提供、従業員向けの栄養指導や食事指導、また地元の大学と連携し、食堂利用者の健康情報の解析等を行っています。さらに、野菜摂取量を増やすため地産地消を推進し、京都や滋賀など各拠点において地元産の野菜を多く利用しています。
●自社ファームの運営
2012年、滋賀県高島市に自社農場「HORIBA Blueberry Farm “Joy & Fun”」 を開園しました。2.1haの農地ではブルーベリーや季節野菜、オーガニックコットンなどを栽培しており、ここで収穫した野菜や果物は社員食堂や研修所での利用のほか、ジャムやジュースなどに加工して当社独自のお土産物としても活用しています。また、季節ごとに従業員と家族を招いた苗植えや収穫祭などのイベントを開催し、土に触れることで子どもたちへの五感教育や、イベントを通じた心身のリフレッシュとコミュニケーションの創出につなげています。
●ACE21 Birthday Party
HORIBAでは1967年以前から従業員の誕生日を祝う誕生会が行われていました。社是「おもしろおかしく」を実現するためには、経営についての考え方やビジョン、現場での出来事を経営トップと従業員が直接会って話をする場が非常に重要だという経営トップの“おもい”が込められています。本社地区では毎月、東京や東海地区など国内各地にある拠点でも定期的に、年間で合計約20回開催しています。その毎回に堀場厚会長をはじめ、取締役や執行役員も多く参加し、経営トップと従業員が顔を合わせて話すことができる機会となっており、企業規模が拡大した現在も続いています。
1970年頃 2023年
●感謝デー
HORIBAグループではメーデーに合わせて家族も一緒に参加できるイベントを開催しています。これまでサッカー観戦、運動会、バーベキューなど様々な行事を開催しており、会社や部署を超えて交流できる機会となっています。
●関連福利厚生会社の株主懇談会
ホリバコミュニティは、HORIBAグループ従業員一人ひとりが株主となり、必要な福利厚生のサービスを提案し実現するホリバリアンのための福利厚生会社です。年に一度、利益を株主に還元するために開催される懇談会は、全国の拠点をオンラインでつなぎ、食事や抽選会などを実施して従業員が交流できる場ともなっています。抽選会では旅行券など豪華な賞品が用意されています。
従業員が健康にいきいきと働ける職場づくりを行っているなかで、その取り組みが外部からも評価されました。
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外部評価・賛同 - HORIBA