茨城県
使用機器:自動血球計数装置CRP測定装置
: 東ソー自動グリコヘモグロビン分析計 HLC-723ⓇG11
: 小型電極式グルコース分析装置
:電子カルテ連携ソフト
測定項目:CBC、DIFF、CRP、HbA1c、血糖
例えば本日の場合は、111人の患者様を診察した中で、CBC、血液像、CRP検査は、68人の患者様で実施しました。
喘息と副鼻腔炎の既往のある20代の女性が、手足のしびれを主訴として来院したため、血液検査をしたところ、好酸球が異常高値であることから、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と早期に診断して、治療を開始することができました。難病指定されている希小症例を見逃すことなく、早期診断、早期治療により改善できたので助かりました。
関節リウマチ患者様においては、感染症であるのかリウマチ活動性の亢進なのかの判断が極めて重要です。両者とも炎症反応が上昇するにもかかわらず、治療法が正反対であるからです。WBCとCRPの測定結果を診察時に必ず確認し、WBCが12,000個/μL以上あるいはCRPが10mg/dLを超える場合には感染症をまず疑い、それ以下の場合には臨床症状と照らしあわせて、リウマチ活動性の亢進を疑います。また感染症が重症化すると血小板数も減少するので、血小板の数値にも注目しています。リウマチ活動性の亢進では血小板数は反対に亢進することが多いようです。MTXを使用中の患者様では、骨髄抑制による好中球数減少とリンパ球減少、血小板減少が有害事象として問題となることも多いので、白血球数と血液像、血小板数を把握することが重要です。なかでも骨髄抑制の早期発見にはMCVの上昇の早期把握が有用であり、リンパ球数とMCVなどの血液像とCRP値、臨床所見を総合的に判断してMTX投与量の調整を行います。生物学的製剤のうち、抗IL-6レセプター抗体であるトシリズマブやサリルマブの場合は、白血球減少が見られた場合、有害事象としての骨髄抑制による白血球減少なのか、薬剤によるトラップ作用(白血球が血管壁に吸着する現象)なのかの判断が必要となります。また、JAK阻害剤の場合には、有害事象としてリンパ球減少が多いようです。リンパ球減少は感染症のリスクを上げるため、感染症予防のために、JAK阻害剤の投薬を継続するか、減量もしくは中止するかの判断材料として、リンパ球数の測定も重要と考えています。
関節リウマチ患者様に対しては、ステロイド剤を治療戦略上、発症早期に投与する事があります。またリウマチ性多発筋痛症や多発性筋炎などの疾患においてはステロイド治療が不可欠であり、ステロイドによる耐糖能低下による血糖上昇や糖尿病の悪化を引き起こす可能性があるため、HbA1cと血糖を測定しています。糖尿病と診断した場合には、HbA1cと空腹時血糖を定期的に測定します。
自動血球計数CRP測定装置、HbA1c測定装置、グルコース分析装置、尿検査装置を連携ソフトを介して電子カルテに接続しています。コンピューターの画面を見ながら患者様に測定結果を説明しています。
疾患だけを診るのではなく、その患者様が人生において何を成し遂げたいのか、どのように生きたいのか、社会的、心理的そしてスピリチュアルな側面まで患者様全体を看ること、患者様に希望を届けることです。当クリニックはHopeful Therapy for Active Lifeをミッションに掲げています。アクティブライフの達成に向けて、リウマチを早期に寛解状態に持っていく必要があり、そのためには、強力な薬物療法が必要となる事があります。過去においてリウマチは関節破壊を防げないため、寝たきりとなる難病でした。しかし今ではMTXや生物学的製剤、JAK阻害剤等の強力な薬剤があることから、早期に寛解を達成でき、関節破壊を阻止し、健常者となんら変わりない生活が可能な時代となっています。即日の血液検査で、有効性の判断と有害事象を早期に発見し、可能な限りタイトコントロールを行うことで、リウマチが治せる、治せないまでもリウマチを抱えながらも何でもやれるという時代です。リウマチ治療の未来は明るいと感じています。患者様に希望を届けること。堀場製作所の「Yumizen」はそのひとつの武器となっています。
【CBC】:(全血検査)赤血球・白血球・血小板等の血液中の有形成分の数と形態を検査。全身の容態を把握することができる。 | 【CRP】:(C反応性蛋白)体内で炎症がおこっている時に、血液中に増加するタンパク質。感染症等の目安になる。 |
施設名 | おのぼりクリニック |
---|---|
診察科目 | リウマチ科、整形外科、内科、リハビリテーション科 |
住所 | 茨城県つくば市手代木1927-1 |
電話 | 029-828-6171 |
ウェブサイト | https://onobori.clinic/ |