福岡県
使用機器:自動血球計数装置 Yumizen H1500
測定項目:CBC+白血球5分類
新開様:
なりたい職業は他にあったのですが、中学の担任の先生から医療業界を勧められ、自分でも調べていくうちに検査技師の仕事が面白そうだなと魅力を感じるようになり、検査技師を目指しました。
前田様:
医療業界で職業を探している中で、始めは放射線技師になろうと思っていました。学校の見学に行った際に検査に特化した検査技師の職業があることを知りました。実際の職業体験で、とても楽しくやりがいのある仕事に感じたのがきっかけです。
新開様
患者様と触れ合う機会は少ないと思っていたのですが、実際は心電図やエコー検査などで関わる機会も多く、以前の職場では糖尿病教室も担当していました。細胞診検査の際には、患者様から「検査が怖いので、手を握ってください。」といわれたことがあり、看護師だけではなく、検査技師も不安を和らげる役割を担っていると感じています。患者様との関わりの中で、たくさんの刺激を受けるので大変魅力を感じています。
新開様
特に検体検査でいえることだと思いますが、検査結果を「早く正しく」現場に返すことを常に意識しています。
前田様
検体検査を行っているとトラブルが起こるのはつきものなので、その時も検査業務を止めることなく対応することを心がけています。
当院は甲状腺学会認定の施設です。甲状腺の専門病院なので、特に抗甲状腺薬の副作用などで白血球数や白血球分画の好中球数に注意しています。好中球数がパニック値の場合には、再検したうえで医師に結果を報告しています。再検基準について、基本的には時系列で確認しています。先生からの指示もあり、好中球が1,000以下の場合は必ず再検しています。
検査室には8名の検査技師が在籍しています。検体検査の担当が2名、病理検査の担当が2名、エコーなどの生理検査の担当が4名です。検体検査においては、検査担当と結果確認で、作業を分担しています。術前検査も兼務しています。
日々の装置メンテナンスが煩雑で、定期的なバルブの分解清掃が必要でした。日常業務を行いながらのメンテナンス対応に非常に負担を感じていました。
また、内科で抗甲状腺薬の処方を始めた患者様の場合は、診察前にCBC検査の結果が必要です。ですが、装置トラブルが多く検査結果が出ないこともありました。患者様を長時間お待たせし、検査結果を迅速に提供できないことに不満を感じていました。
装置のメンテナンスが楽になりました。毎日のメンテナンスはボタンを押すだけ、長期休暇中も装置が自動で立ち上げ操作と終了操作を実施してくれるので、休暇中に検査室に行かずに済みます。
また、フォロー体制が整っており、何かあればすぐに対応してもらっているので大変助かっています。
測定の処理能力が高い点もよかったです。以前よりも測定結果が早く出るので、結果確認の時間がしっかり確保できています。CBCの再検が必要な場合も生化学検査と免疫検査の結果が出るのを待つ間に測定でき、時間に余裕を持って対応できるようになりました。
また、検査室が広くないのですが、装置がコンパクトなため、丁度良く設置できて、これまで通りのフローで検査にあたれています。
当院においては、抗甲状腺薬の副作用が生じたことに、いち早く気づけることが一番に役に立っています。
また、甲状腺以外でも白血球分類の異常に気づき、その事を先生へ伝え、近隣病院へ紹介した患者様がCML(慢性骨髄性白血病)と診断されたケースがありました。
今後、目視での血液標本検査をはじめる際には、トレーニングなど協力していただければ助かります。
また、日常検査を止めないためにも、引き続きサポートをお願いします。
新開様
検査室の中での組織作りや教育にも力を入れたいと考えています。若いメンバーがもっとCBCのスキャッタグラムを理解できるようにサポートを行ったり、甲状腺病院ならではの副作用の勉強会なども開催したいです。また、甲状腺の専門病院同士で交流を持つ機会をたくさん作り、輪を広げていきたいと思います。
前田様
検査技師として個人の力を付けると共に、検査室から医師にプラスになる情報を発信し、双方向でコミュニケーションを取れるように日々の知識習得に励みたいと思います。
施設名 : 医療法人福甲会 やました甲状腺病院
診療科目 : 内科・外科・麻酔科
住所 : 〒812-0034 福岡県福岡市博多区下呉服町1-8
基本情報 : CBC検査数/日
月水金(診療時間 終日):150-180検体/日
火木土(診療時間 半日):100-120検体/日
WEBサイト: https://www.kojosen.com/
福岡市の博多駅から約10分という好立地な場所にある医療法人福甲会 やました甲状腺病院。
甲状腺・副甲状腺の専門病院ということもあり、福岡県内だけでなく、県外(山口県、佐賀県、熊本県など)からも数多くの患者様が訪れられるそう。今回は検査技師の新開様・前田様にお話しを伺い、非常にスタッフの皆様同士の距離感が近く、院内の和気あいあいとした雰囲気を感じました。
甲状腺疾患は、長期的な治療が必要になってくるかと思います。日々、患者様のためにスタッフ間で綿密に連携を図られ対応されていることが、患者様にとって治療の続けやすさにつながっていると感じました。
この度は、インタビューをお受けいただき本当にありがとうございました。
(2024年4月掲載)
※掲載している情報は取材時点のもので、現在とは異なる場合がございます。