牛やヤギなどの反芻動物によるあい気(ゲップ)には、二酸化炭素(CO2)の約25倍の温室効果のあるメタン(CH4)が含まれており、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)増加の一因となっています。これら反芻動物のあい気を起因とするメタンガスの排出量は、世界全体の温室効果ガス総排出量の約5%にあたると言われており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、二酸化炭素だけではなくメタンガスを抑制する技術研究が進められています。特に牛に関しては、その生産性を維持しつつ、牛のルーメン(第1胃)発酵によるあい気中のCH4、CO2排出量を削減すべく、飼料や育種の改良などがおこなわれています。
反芻動物のあい気に含まれるCH4、CO2量を測定する方法として、完全個室型のチャンバーに牛を数日間滞在させる「チャンバー法」、放牧しながら飼料箱にて摂食する際に測定するグリーンフィードによる測定※1や、搾乳・給飼時に半開放型室内で測定する「スニファー法※2」などがあります。
HORIBAは、スニファー法およびチャンバー法のそれぞれの測定方法に合わせて、ラックに搭載しやすい、持ち運びやすいなどニーズに沿った最適なガス分析計をご提案します。
※ 1.C-Lock社(米)のGREENFEEDと呼ばれるマスク法を自動化した装置
※ 2.参考:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 ウシルーメン発酵由来メタン排出量推定マニュアル
スニファー法
チャンバー法
HORIBAは、スニファー法およびチャンバー法のそれぞれの測定方法に合わせて、お客様のニーズに最適なガス分析計をご提案します。
ポータブルガス分析計PG‐300 シリーズは、電子クーラユニット(PS-300)との組み合わせにより、牛のあい気中の水分や吸引ガスの コンタミネーションなどを除去し、CH4とCO2濃度を高精度に連続測定できるため、スニファー法による測定に最適です。
マルチガス分析計VA-5000 シリーズは、最大3ラインのCH4を同時にリアルタイム計測できます。また、CO2との同時計測も可能です。
実験に合わせたオプションのサンプリングユニットや多点切り替えも提供しており、お客様のご要望に応じたシステム構成に柔軟に対応します。
ポータブルガス分析計
マルチガス分析計