蛍光寿命は太陽電池・光触媒・遅延蛍光・生化学・半導体物理・分子や結晶の反応過程などを詳細に分析する上でますます重要性が増してきています。そのため蛍光測定においても、定常スペクトルから得られる情報に加え、それぞれの物質の蛍光寿命を測定・分析することによって、発光過渡現象をよりダイナミックに把握する必要性が一段と高まっています。蛍光寿命とは、試料にパルス光を照射して励起状態となってから、蛍光を放出して元の状態に戻るまでの時間のことで、一般にナノ秒オーダの値を持ちます。HORIBAは、その卓越した高速計測技術を駆使して、蛍光寿命測定装置を1980年代初頭に国産では初めて開発以来、各方面で高い評価を得てきました。
太陽電池では高速な電荷分離と遅い再結合反応が高効率実現のために必要です。蛍光寿命測定をすることにより、その再結合に要する時間を評価することができ、ペロブスカイト太陽電池のさらなる高効率化研究に貢献します。
成分の数は減衰曲線(赤色)の傾きから判断できます。一成分の場合は直線になりますが、多成分の場合は曲線になります。
有機ELの発光効率は、そのエネルギー緩和過程に大きく依存します。蛍光寿命を測定することによりそれぞれの発光波長のエネルギー緩和過程を解析することができ、高効率な有機EL研究に貢献しています。
成分の数は減衰曲線(赤色)の傾きから判断できます。一成分の場合は直線になりますが、多成分の場合は曲線になります。