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■染色処理なしでナノマテリアルの細胞上分布を可視化
一般的にナノ粒子の分布は光学画像では観察できないため、蛍光染色などを実施します。化学結合情報で取得できるラマン分光を用いて、染色せずに酸化チタン(TiO2)の細胞内分布のイメージングを行いました。その結果、ラマンイメージング像からTiO2が顆粒状になって細胞上に散逸的に分布していることがわかりました。
■精製方法による粒子径分布の違いを測定
エクソソームの前処理方法により粒子径分布が異なることが懸念されます。前処理手法の異なる精製産物をパーティクルトラッキング法で比較することで粒子径分布の違いを確認できます。
■凝集物の大きさと個数濃度の同時測定
一般的に、抗原濃度は凝集による濁度を測定し、検量線から求めます。このラテックス凝集法による凝集物の個数濃度と平均粒子径の変化を比較し、粒子径測定結果から抗原濃度を測定することができます。
■顕微鏡型XRFによる元素マッピング
CT画像にて肺に確認された異物について、ホルマリン漬け肺切片の元素分析を行いました。肺組織に見られた局部的な水銀の蓄積により、水銀栓塞症と判明しました。
■培養液の蛍光物質量変化
細胞状態の管理においては、細胞自体の状態だけでなく、細胞の培地の状態も重要な要素です。3次元蛍光分光光度法により、細胞を培養した際の培地の経時変化を、前処理無しにリアルタイムで検出し、多変量解析により変化する培地成分を推定することができました。
■分子間相互作用解析
疾患マーカーの探索には、マーカー分子とリガンドの相互作用を網羅的に計測する必要があります。表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)により、ヒト血清由来エクソソームと11種類のリガンドの相互作用を同時に確認できました。
■液体粒子の分散状態をラマン分光法で可視化
化粧品・医薬品などでよく使われるエマルション状の試料において、油滴の時間経過に伴う状態変化をラマン分光装置を用いてイメージング分析しました。
油滴を均一に分散させた後、静置させると油滴が浮上し、凝集・合一化していく様子がわかります。
このような液体試料であってもラマン分光装置を用いることにより、各種状態を可視化することができます。
■乳がん組織の測定
乳がんと石灰化の関係は、専門家の間でも注目を集め、研究が進められています。レントゲンやマンモグラフィなどで得られるX線暗視野像と、顕微鏡型XRFによる元素分析(Ca)を組み合わせることで、乳がん組織の石灰化を検出しました。
■ウイルス種のスペクトル解析
診断や公衆衛生分野でのウイルス1粒子判別検査を目指し、異なる種類のウイルスをラマン分光を用いて比較、ウイルス種によるスペクトルの違いを確認できました。
■分化度の測定
がん細胞の悪性良性は、細胞の分化度(未分化型、高分化型)が関連しています。分化状態を判断する手法は細胞を破壊する化学的手法が使われていますが、単一の細胞ではなく複数細胞の平均化した値となることや、細胞を破壊するため、非破壊での測定が望まれています。ラマンスペクトルおよび主成分分析により、生きたままのがん細胞の分化度の測定が可能です。