■ バイオヘルスケア本部 メディカルソリューション部
矢田 翔梧
当社従来装置である「動物用自動血球計数装置 Microsemi LC-662(以降LC-662)」は、2010年11月発売以降、長くご愛顧いただいている製品です。動物病院の先生方からは「多重測定で精度を上げているのがいい」「PCVと装置のHct値の相関がよい」「長年使用しているが故障しない」等の大変うれしいお声をいただいておりました。一方で「どうしても動物の血液は凝固しやすい検体があり、血餅などを注意していても吸ってしまうことがある」とのご意見も頂戴しておりました。そこで、LC-712ではご評価いただいている機能はそのままに、使い勝手の向上と安定稼働を実現するべく製品を開発していきました。
動物用に特化した以下内容をLC-712で追加しています。 |
✓血餅(血液が凝固したもの)などを捕集するフィルタを追加 |
✓バルブの開閉時間最適化などの機構改善で洗浄機能を強化 |
当社サービスへのコール内容を紐解くと、バルブ詰まりによる装置トラブルでの緊急対応が一番多くなっていました。血球計数を実施したいときに使えないという事態を避けるため、 装置内部に詰まりの原因が混入しないよう捕集フィルタを搭載しました。仮に流路内に入ってしまっても排出する際にしっかり廃液ラインへ詰まりの原因を除去できるよう、バルブの開閉時間を最適化させ、洗浄機能を強化しました。
詰まりを除去するために圧力をかけてバルブ内部の物質を流そうとしたときに、装置の他の部分に圧力がかかり故障しないよう、詰まりがうまく除去でき、装置の他の部分に影響を及ぼさないようにする実験が一番大変でした。
製品化を進めるにあたり、獣医療に携わる多くの先生方にご協力いただきました。 そのおかげでラウンチできた製品ですので、ぜひ獣医療の現場でお役立ていただければと考えています。これからも獣医師の先生方に役立つ製品をお届けできるよう、精一杯製品開発に努めます!