次世代の計測ニーズを見据えて、新しい発想と技術で世界に安全な水を広げようとしている「自動水道水質測定装置GX-100」の開発プロジェクトをご紹介します。
世界には安全な水にいつでも簡単にアクセスできない地域が多くあり、貯水から排水、再利用、防災対策などインフラ整備が重要な課題の一つです。我々は水質計測技術で水の社会問題を解決する方法を探索しました。そのなかで水の安全を誰でも簡単に確認できる水質測定装置の構想が生まれました。ボトムアップからの提案作りは責任重大ですが、だからこそやりがいがあります。
場所や管理者に依存せず、信頼性の高い水質管理に必要な機能は?扱い易く、限られた人員で監視を続けるには?を突き詰めた結果、センサのモジュール化案に辿り着きました。センサごとに分離が可能で、個々のメンテナンスを容易にし、ダウンタイムの削減や省人化に貢献。遠隔管理システムも搭載すれば、離れた現場のデータをリアルタイムに入手できます。
モジュール型の製品は初めての試み。性能や耐久性はもちろん、コスト課題も解決しなければならず、各要素設計のスペシャリストたちが知恵を出し合い、時に衝突しながら議論と実験を重ねました。
“製品”としてお客様に届けるには社内外の評価でいただく貴重な厳しい意見を受け止め、生産技術と製品開発部門が垣根を越えて、工場の品質、コスト、物流管理へバトンをつなぎます。相互の立場を認め合い、納得できるまで話し合い、カタチに仕上げていきます。
センサをモジュール化し、遠隔地管理ニーズから生まれた、これまでにない新たなコンセプト。様々な立場からの多様なアイデアも「世界中のあらゆる水質を守る」のもとでワンチームとなり、プロジェクトが進んでいきました。安心・安全な水資源の循環のために、私たちのチャレンジと探究はまだまだ続いていきます。
プロジェクトリーダー I.K
前例のない製品の開発プロジェクトを進めるために、みんなで活発に話し合える能動的なチームをめざしました。「本当に必要なものは何か?」という視点を一人ひとりが持ち、今日もさまざまな意見が飛び交っています。
電気設計 K.I
企画・構想段階から時間をかけて世界各地へ足を運び、現地の課題を肌で感じることができたことは得がたい経験です。出荷を迎えてからも、また現場へ赴き、世界の人々へ製品を届けるところまで携わっていきたいです。
ソフトウェア設計 S.T
Bluetooth®やアプリケーションなど、まだ社内に開発実績やノウハウが少ない技術であっても、ソフトウェアの世界には常に先人がいます。必要な情報にいかにアクセスするかということを心がけながら開発に臨みました。
※Bluetooth®はBluetooth SIG, Inc.の登録商標で、株式会社堀場アドバンスドテクノはライセンスに基づき使用しています。
実験 E.O
実験系のチームは、メカから電気、ソフトまで各系統と連携をはかるために日々新しいことを学び、挑戦を重ねています。「できないことは無い」。そう言いきれるくらい、何にでもチャレンジできる環境がここにあります。
構造設計 W.K
誰もが使えるデザインを追究する中で、多くの壁にぶつかりました。そんな時、理論だけでなく自分の中のファジーな感覚を大事にすることで突破口がひらける場面もあり、未知なる課題と向き合う力を養うことができました。