初心者向け水質計選定ガイド

HORIBAの水質計を扱ったことがない人、そもそもpH測定についてよく知らない
そんな初心者の方向けにpHのことや水質計についてご紹介していきます。

1 pH測定の基礎知識

▽pHってなに? ▽なぜpHを測定するの? ▽pH測定をする多種多様な分野とサンプル例 ▽水質計を使ったpHの測り方

pHってなに?

pHとは「酸性」「アルカリ性」を示す値です。

目的のサンプルを測定することにより、どのようにして酸性かアルカリ性か分かるのでしょうか?pHは水溶液中の水素イオン(H+)濃度を示しているのですが、この水素イオン濃度が多い時は酸性、少ない時はアルカリ性と表されます。

数値で表すとpH7が中性で、この7より値が小さいほど酸性の性質が強く、値が大きいほどアルカリ性の性質が強いことが分かります。例えば下のグラフでpH3は酸性でpH12はアルカリ性と言えます。このようにしてpHは水溶液の性質を表す単位として周知されています。


なぜpHを測定するの?

同じ測定項目のpHであっても分野やサンプルにより測定する目的は変わってきます。サンプルやシチュエーションによって定められている適切なpHの指標に従い測定結果を確認する必要があります。
例えば、液体や食品の性質(酸性、アルカリ性)が分かることで、測定した物質が適切な状態であるか把握することができます。

以下で実際にどのような分野でどんなサンプルが測定されているのか紹介していきます。


pH測定をする多種多様な分野とサンプル例

食品・飲料
✓パン・味噌・乳酸飲料・酒・しょうゆなど

雑菌の繁殖のしやすさや発酵の状態などpHを知ることで品質保持や研究などの指標になり、食品や飲料のpH測定は味や品質(安全性)に関わります。

医薬・化粧品
✓医薬品・日焼け止め・化粧水など

製造工程でpH測定をすることで化学反応をチェックし品質管理を行います。人の肌に触れたり、体内に直接取り入れたりするものなので安全性第一です。

工業
✓生産工程(めっき、金属、繊維、紙・パルプ)、工場排水 など

最適な生産工程の維持や品質管理のためpH測定が行われています。また生産現場では工場排水が流れ、化学薬品などが混じった工場排水を下水や河川にそのまま放出すると悪影響を及ぼす可能性があるため、pHを測定し適切な処理を行います。

第一次産業
✓農業(土壌、農作物、水)、畜産業、水産養殖 など

作物や家畜、魚の生育に適した環境であるか、また健康状態を確かめるためpHを測定し管理する必要があります。pH測定が品質や味に関わってきます。

インフラ
✓上水、下水、工業用水、発電 など

法律や規制によって排水のpHの基準値が定められており、適切な処理や管理を行い安全な水を公共用水域に流すため、pH測定から水質管理を行っています。工業用水は生産過程で使用される用水の水質管理、発電分野では液化ガス中の水分の管理などを行います。

環境水
✓河川、湖沼、海洋 など

河川や海が汚染されていると自然環境や人々の生活に悪影響を及ぼす可能性があります。そこで環境保全や研究のため測定されます。


水質計を使ったpHの測り方

・pHを測定する水質計には、pH測定専用の電極を使用します。
・測定前に校正と言われる作業を、標準液を使い行います。
・測定したいサンプルに電極を付けて測定ボタンを押し、値を確認します。

HORIBAの水質計に関して様々な動画をアップしている公式YouTubeでは製品の測定方法や校正方法を説明している動画を見ることができます。

HORIBA Water Experts - YouTube

測定方法

校正方法

HORIBAグループ企業情報