標準器、標準試料などを用いて、その測定器の表す値と真の値との関係を求めることです。または真の値と計測器の指示が一致するように調整することです。DO測定は、基準値に対する相対値測定のため、その基準値を設定しなければなりません。その値に計器を調製することが「校正」です(校正液はJISに規定されています)。
DOセンサの劣化やドリフトなどの経時変化を補正するため校正液にゼロ液とスパン液を用いて行います。
正しい測定値を得るためには、電極が新しい状態であっても測定を行う前には計器を校正する必要があります。
校正頻度は、求められる精度やサンプルなど測定条件によって異なります。通常の測定では、少なくとも1日1回程度を目安に測定前に行なってください。
OM-71、D-75:「大気校正」と2点の標準液(飽和溶存酸素標準液とゼロ標準液)を用いて行う、「標準液校正」があります。
大気校正:電極を大気にさらして行う簡易的な1点校正。
液校正:より高精度な測定を要求する場合、2種類の標準液を用いて行う2点校正。
温度補償が可能な範囲(0〜40℃)で行なってください。ただし、温度変化の激しい場所では誤差を生じたり、指示値が安定するまでに時間を要することがあります。
センサ表面に水分がついた状態で校正を行うと、その水分中の酸素の影響や、その水分自体が高分子膜を覆ってしまう状態となり、正確な校正ができないため、空気中に約2時間放置してセンサ表面を乾燥させます。
ゼロ校正液:亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)0.2%の溶液
スパン校正液:25℃に設定した水に空気を通じて平衡させた飽和溶存酸素溶液
塩分補正は0.0 pptに設定しておいてください。
塩分濃度補正は0.0 pptにして、温度補償や気圧補正も行なってください。
本来ならばサンプルの温度と同温の液温で校正することが最も正確に測定できます。温度補償範囲(0〜40℃)外での校正は行わないでください。
1000〜1500rpm位の一定の速度で、校正を行なってください(スターラーによる発熱にはご注意ください)。それ以下では回転数を少し変えるだけで、指示も変化してしまいます。フィールドでの測定では、一定の流速で測定してください。
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