組立加工性を向上させるためです。
ガラス電極は、比較電極のように内部液の交換はできません。変色しているときなどは、電極の寿命として電極を交換する必要があります。
陽、陰イオンの移動度(溶液中イオンが動く速さ)が異なると液間電位差(性質の違う液と液との間で起きる電気的エネルギーの差)が発生するため、その液間電位差を発生させないように移動度の等しいKClを使用しています。また、3.33molを使用しているのは、低温になっても結晶化しない最大の濃度に設定したためです。比較電極としては-10℃まで使用可能です。
茶色っぽい粉は内極のAgClが析出したものです。特に高温測定後、常温に戻すとAgClが析出することが多いです。正確に校正できる場合は特に問題ありませんが、校正できない場合は電極を交換してください。
F,M,Dの70、50、20、10シリーズ用は300、その他(現在販売されている形式では、6069-10Cのみ)は310を使用してください(詳しくはカタログでご確認ください)。
【300を入れる電極に310を入れた場合】
AgClが過剰になり、液絡部を詰まらせ電極を傷めます。
【310を入れる電極に300を入れた場合】
内極のAgClが溶解し、劣化が早くなる場合があります。
74.5(g)(KCl/mol)×3.33(mol)=248(g)
KCl粉末248gを純水(イオン交換水)に溶かし、その溶液を1Lとしてください。
ご参考:比較電極内部液用粉末 350
使用期限は未開封の状態で約1年ですが、ボトルに期日が記載されているものはそちらをご確認ください。開栓したものは、目安として6ヶ月を目途としてください。 また、キャップに白い結晶が多く付き、固まっている場合は濃度変化が起こっている可能性があります。この場合は、新しい内部液と交換してください。
比較電極の補充口より約1cm下まで補充してください。補充口のギリギリまで入れておくと内部液による補充口の液封のため液絡部からの流出量が変わります。また、サンプル液面よりも内部液面が低くなると、液絡部よりサンプル液を吸い上げる可能性があるため、必ずサンプル液面よりも上に内部液面がくるようにしてください。
サンプルとKClが反応する場合は頻繁に交換してください。その他のサンプルの場合はKClの変質に応じて交換してください。上記以外の場合、内部液の量に応じてつぎ足してください。また、1〜3カ月に1度はすべて交換してください。
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